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ヤマメ釣り幻想 ~ モンスター見参 ~

目印が動きを止めた。異様な気配だ。それは釣り人の勘としか言いようがない。間違いなく大物だ。狩猟本能が全身に漲る。始めて経験する言いようのない昂ぶりだ。

巻き返しを流れて行く目印の先には沈んだ流木の小枝が水面から突き出ていた。数十センチも走られたら根掛かりは必須だ。ハリスは0.8号。千載一遇のチャンスなのに絶体絶命だ。

先に右腕が反応していた。そっと竿を立てる。・・・重い・・・。根掛かりか・・・。ゆっくりと竿を立てる。じりじりと竿先が上ってくる。ここで奴を刺激してはならない。が、いきなり疾走が始まった。奴は気付いたのだ。あああ~。流心に向かっている。上、下・・・どっちへ行く。ついている。下流へと目印が移動していく。下流に広がるヒラキへと向かっているのだ。そこなら障害物はない。もう、こっちのものだ。逃れたと思ったらしい。走りが止まった。竿を立ててみる。重い。
小さくチョンチョンと竿先を上げ下げして奴を適度に刺激する。そのたびに竿先が絞り込まれる。竿を立て、全身を鞭にして矯めに矯める。果てしなく続いた気がする。

ようやく抵抗が弱まったのを見計らい流心の際を引いてくる。布っ切れを引っ掛けたみたいだ。いつまた奴が暴れるかとハラハラドキドキだ。
澄明な波間に、奴は姿をさらした。まさにモンスターだ。尺上のそれは体高も体幅も見慣れたヤマメの2倍はある。軟調の竿先では水面まで上げられそうもない。道糸を掴み、ズルズルと、足元の川原石の上まで引き摺ってくる。
とっさに小石を掴み、頭部を殴りつける。二度、三度と。奴はぐったりと川原石の上に横たわり動かなかった。

この日は雪どけ水を集め斉内川は水嵩を増し、色は笹濁り。そのせいかヤマメは警戒心が薄かった。いつもなら22~23センチ級が大物の部類なのだが、この日は25センチを超えるヤマメも食ってきた。そしてクライマックスはコマチが通る鉄橋の下でのことだった。よく肥えた尺上ヤマメ。以後、これ以上の大物には出会っていない。

2024年02月05日

2022年春アジ釣りの記録Photo

4月30日 22年の蓋開けだった。

5月1日

5月7日

朝釣り

夕釣り

5月8日

5月9日

5月11日

5月16日

5月17日

5月18日

5月20日

5月23日

5月24日

5月28日

5月29日

5月30日

各日付毎の記事はブログ「紙魚のつぶやき」でご覧ください。

2023年04月16日

スミイカ釣りを語り尽くす

スミイカのプロフィール


 スミイカはイカの中でも特異な格好をしている。周りにヒラヒラがついたジャンボコロッケみたいだ。申し訳程度に短足がついているのもご愛嬌だ。 別名コウイカとも呼ばれているが、その名の通りに背のほうに立派な甲羅が入っている。白い船形をしていて、小鳥のカルシウムの補給に鳥かごの中に入れるあれだ。体の模様がまた素晴らしい。墨絵のようでもあるし、びっしり描かれた唐草模様にも見えるし、ペルシャ絨毯の切れ端を貼り付けたようでもある。

 例年、10月ごろから乗合船が出る。初期は300gほどだが、最盛期には7~800gぐらいまでに成長する。その名が示すように、釣り上げると真っ黒な墨を大量に吐き出す。
 釣り場は内湾の砂礫地で、初期は水深30m前後を最盛期の2月、3月は50~60mを攻める。東京湾内の主なポイントは、中の瀬、大貫、竹岡、鴨居、久里浜、下浦、金谷沖などだ。
 相模湾ではこの釣りは殆ど行われていないが、イカは棲息している。ヤリイカやマルイカ釣りで、外道でたまに釣れたりする。釣れるのは、同種のシリヤケイカやヒメコウイカが多い。茅ヶ崎沖のキス場にもいるようだ。
 鴨居沖などでは、越冬マダコが混じる。通常マダコは子育てが終わると死んでしまう。しかし、数の中にはあぶれた独身のタコもいるようだ。正月用のタコとして、釣り人はこれを珍重する。
 夏場に水中眼鏡で浅瀬を覗くと、スミイカの子供が2,3尾固まって泳いでいるのを見かけることがある。親指の頭ぐらいの小さなやつだ。近づくと、稲妻模様の軌跡を描いて、すばしっこく逃げていく。
 この種のイカは、子供の時から大きな群れは作らないようだ。スミイカ釣りは群れを作る他のイカたちと違って、拾い釣りになる。
 4,5月頃に海岸縁を歩いていると、このスミイカがプカリプカリ浮いて流されていくことがる。時化後に、海藻とともに浜辺に打ち上げられていることもある。
 これを拾って食べたことがあった。さすがに刺身では食べる気がしなかったが、煮て食べたらそこそこ食べられた。これは産卵の大役を終えたイカたちだ。一年でその一生を終わる。
 卵が孵化する頃に真水が入ると、その年の湧きが悪いといわれている。夏場に雨が少ない年には期待ができる。


スミイカ釣りはボウズ覚悟で

 スミイカ釣りは数が釣れない釣りの典型だ。5尾も釣れたら大漁の部類に入る。私などは2,3尾ということが多かった。坊主も何回かあった。寒い北風に終日吹かれながら、冷え切った体に空のクーラーボックス提げて帰る日は、何とも惨めなものである。人生哲学の真髄に触れたような気にもなってくる。
 拾い釣りだから、潮先が断然有利だ。大抵潮先には常連さんが陣取ることになっている。腕もいいからその人だけが釣れることになる。
 釣況欄を見て駆けつける時は、ユメユメ竿頭の数字を見ないことだ。


シャコよりトトスッテがお好き

  スミイカ用のテンヤは、昔からの形を踏襲している。本体は細身の羽子板状をしている。根元には円錐の頂上を切り落とした形の鉛を鋳込んである。この鉛がミソで、テンヤのハリが常に海底で上向きになるように姿勢を整える働きをする。
 オモリと反対の側には、2本の大きなハリが扇型に広いた形で取り付けられている。ハリの付け根には、餌のシャコを縦に突き刺して固定する為に、先のとがった竹串の一方が結び付けられている。この竹串の結び目には多少遊びがあって、蝶番のように動いてシャコが取り付け易いようになっている。
 最近は、この専用のテンヤの30cmほど上にトトスッテを付けるのが一般的になってきた。このトトスッテは、プラスチックの地そのままのものもあれば、魚の模様をプリントした布を貼り付けたものなど様々である。
 その日の状況でアタリヅノが変わる。船内の状況や自分の釣れ具合から、種類を選択する。乗ったのがほとんどトトスッテだった日もあった。


コヅキは不要

 馴れた手つきで竿先を小刻みに上下させる姿は、いかにもベテランらしくて格好がいい。見よう見真似でやっていたら「オメーナ。タコ釣りじゃねんだからコヅクことはナカンベヨー。テンヤが底に着いていねーとよ。イカがノラネンダベよー」と怒鳴られてしまった。
 「テンヤを底に着けたまんま、7つ、8つ数えてよー。イカが乗ってるつもりでシャクるんだ」これが鴨居港の又エム丸の先代から教わった釣り方だ。
 少し慣れてくると、すぐ小細工に走りたがる。普通にやればいいのだ。釣れる時は釣れるし、釣れない時は何をしても釣れないものだ。だまって、時を待つしかない。これが釣りの奥義だ。


潮先にはかなわない

 スミイカは群れを探して釣る訳ではない。流れに乗せて、船をゆっくり移動させながらポイントを探っていく。大流しと言われる操船方法だ。確かにイカが固まっている場所もある。しかし、同場所で4,5尾も出れば上々だ。
 スミイカは結構獰猛なところがある。それほど神経質でもなさそうだ。出会い頭に見つけた餌には無条件で飛び着く。だから、一番先頭を行く潮先のテンヤが標的になる。
 他の遅れてくるテンヤはおこぼれ頂戴と言った按配だ。だから、潮上に座ったなら遠投して道筋を変え、離れたポイントを探るしかない。遠投する時は夢中になりすぎて、隣の客を釣り上げてしまわないようにすることだ。必ずアンダースローで飛ばすように心掛ける。
 オーバースローでやられると、傍に居る人はその度に身構えなければならなくなる。あの大きなハリが引っかかると、目玉の一つや二つは簡単に持っていかれてしまう。


スミが飛んだらスミマセン

 水面に顔を出したら、隣近所の誰かがタモで掬ってやるのがルールだ。しかし、入れ食いタイムは、お互い他人のことどころではなくなってしまう。水面から抜きあげたら一呼吸間を措き水を吐かせてから、そのままそっと船の中に持ち上げる。その時、船の甲板にドサット置いたりは決してしないことだ。それをすると、周りが墨だらけになること請け合いだ。
 空中で、なるたけ体から離れた位置で、右手で仕掛けを受け止める。その時、ロートのある腹側は必ず海のほうに向けるようにしなければならない。そうしなければ、自分が墨攻撃を受ける羽目になるからである。そして、左手の指を回し一気に足の付け根を締め付けるようにして持つ。
 これで敵さんも墨が吐けなくなる。ここまでしたら、後はどっち向きでも構わない。しげしげと獲物を見つめて感動に浸ってもいい。
 眺め飽きたらハリから外し、腹側が下になるようにして足元のバケツにそっと入れる。勿論バケツには海水は入れないようにする。理由は明白だ。敵も生き物だ。細心の注意を払っていても、どこかで墨攻撃を受けることがある。幸か不幸か、こんな時は大抵隣が墨を被ることになる。あとは、隣が偏屈ものでないことを祈るだけだ。


スカリは必需品

 そのうちバケツの中はネットリとした墨に覆われて、イカの姿が分からないほどになる。納竿の合図が出たらバケツの中身をスカリに開け、船縁から水中に下ろしてやる。パーッと水面に煙幕が広がる。濯いでも濯いでも、真っ黒な墨が際限なくにじみ出てくる。煙幕の色が薄れてきたら、ビニール袋に一旦入れてからクーラーボックスに仕舞い込むようにする。
 帰宅するまでの間にもまだまだ大量の墨が吐き出される。以前は港に着いた時点で、甲や墨袋を取り除いてきれいに洗い流してから帰路についたものだが、今はそんな光景も見られなくなってしまった。
 船体や衣服に着いたイカの墨は、乾いてしまうとなかなか落ちないものだ。船体に付着した場合は濡れている間に手早く海水をかけて洗い流しておく。そのまま放りっぱなしだと、必ず船頭の雷が落ちる。
 船には柄付きのブラシが何本も積んであるはずだ。船頭に言われる前にこれを使って手早く洗い流すことだ。それがスミイカ釣りのささやかなマナーだ。


タコの取り込み船べりから離して

  この時期に外道として釣れるマダコはキロ級の良型が多い。イカとは異なる重量感なので、乗った瞬間に大抵タコであることが分かる。
 タコだったら駄目押しのアワセをくれてやる。タコの身は固いので、スミイカ流のアワセではハリが通らないことがあるからだ。アワセがきかなくても抱きついただけで上がってくることもあるが、大抵水面近くで餌を放して逃げてしまう。途中でばれるのはタコの場合が多い。
 水面から抜きあげる際も要注意だ。もたもたしていると、そのうち船縁にぴったりと吸い付いて二進も三進もいかなくなる。こんな時は慌てず下にタモをあてがい、糸を緩めてやればいい。ポロットと落ちて、見事にタモに収まる。


イカの中で最高に美味いと言う人がいるが

 スミイカも刺身が一番だ。一日二日冷蔵庫の中に寝かしてから食べるほうが美味いともったいないようなことを言う人も居る。モンゴウイカのようなネットリした食感が、この人は好きらしい。要は好き好きだ。
 私は釣りたてのを、すぐに食べるほうが好きだ。シャキットした歯ざわりがいい。このイカの特徴は、多少粉っぽさが舌に残ることだ。刺身を食べて、粉っぽさとはおかしな表現だが。
 アオリイカに似ているが、甘さでは多少劣るような気がする。ただ、何となく上品で捉えどころのない味わいがある。女房に言わせれば「ヤリイカの方が美味い」のだそうだが。
 ゲソは軽く湯がいて、ワサビやしょうが醤油で食べる。ネギヌタにもいい。居酒屋風だがオデンダネにしてもいい。


テンヤに夜光塗料を塗ってみたら

 或日グリーンのウイリーをテンヤに巻きつけてやってみた。ところが、これが利いたのか、苦手にしていたスミイカ釣りで初めて竿頭になった。それからいろいろやってみて、最後にたどり着いたのがグリーンの夜光塗料だった。
 まず、白のラッカーで下地の凸凹が隠れるほど厚めに下塗りを重ねる。その上に蓄光性の蛍光グリーンを重ね塗りする。このテンヤを使うようになって、釣果が格段に向上した。これは、単なる思い込みのなせる技かもしれない。しかし、釣りでも何でも思い込みも必要だ。今ではこのテンヤが定着しているが、自惚れかも知れないが私が一番早かったと思っている。
 釣れなくなると、腕ではなく餌やスッテが気になってくる。無闇に交換してみたりする。釣りも、自信を失い、あれこれと迷い始めるともう駄目だ。チャンスが再び巡ってくるまで、嘘でもいいから確信をもって押し通すことだ。待っていれば、日に1,2回は必ずチャンスが回って来るものだ。


1尾釣れたらもう一度同じ道筋を探ってくる

 1尾釣れると、その近くでもう1尾釣れることが結構ある。船筋だと他の人に釣られてしまう確率が高いが、遠投して釣れてきた時にはすぐに入れなおすともう1尾立て続けに釣れることがある。
 スミイカは雌雄のつがいで居ることが多い。ハリにかかった相棒を追っかけて、もう1尾が水面近くまで追いかけてくるのを見た人もたくさんいる。
 私はマルイカ釣りでもそんな光景を何度か目にした。


大潮が狙い目

 湾内の潮は、潮回りの影響を強く受ける。中潮から小潮にかけては潮の流れが緩やかになり、中潮から大潮にかけては段々と潮の流れが早くなる。
 湾内の大抵の海域で、満ち潮と引き潮では潮の流れる方向が反転する。そして、潮の流れが反転する前後の小一時間ほどは潮の流れがほぼ止まる。
 魚の食いが立つのは、何故か大潮時のこの潮どまりの前後だ。早い潮が緩みトロトロと流れ出した途端に入れ食いが始まったり、止まっていた潮がトロトロと動き始めたらバタバタと釣れ出したりする。
 スミイカも同じだ。潮回り、潮時がある。

2023年01月31日

ハズレ無し 長崎のガタ釣り(後編)

野母崎沖 八目釣り 平成24年9月22日

    エソ

     アカネキントキ

    シロサバフグ

    カイワリ

     イトヨリ

     ホウボウ

     レンコダイ

      アオナ

 この日釣れた魚をずらりと並べてみる。五目釣りならぬ八目釣りである。左上から順番に、エソ(これは大漁だった)、アカネキントキ、シロサバフグ、カイワリ、イトヨリ、レンコダイ(関東ではキダイ)、ホウボウ、アオナとなる。
 船中は、私がスソを引いたが、地元のベテラン諸士はさすがで、特に後半は入れ食い状態。キロ級のイトヨリを連釣していた。

 敗因を分析してみると、まず軟調の竿、小さな針、仕掛けに尽きる。まず竿だが、微妙なモタレを取り、素早く合わせるには向かない。カワハギ釣りの要領が、そのままガタ釣りにはあてはまると見ている。小さな針は針掛かりに問題がある。巻き上げ途中のすっぽ抜けはこれが原因だ。
 仕掛けだが、底に小形テンビンを付けて、そこから70センチ前後の枝ス(地元の諸氏は30センチ前後と見たが・・・)を出すのが、イトヨリ仕掛けの定番らしいのだ。
 それと、メインの部分の枝スだが、これも極端には5センチの長さと書いてある資料もある。やはり、これからもエサ取りの上手なカワハギ対策を思い出す。枝スの短くして遊びを小さくすることで、アタリを敏感に感じ取る工夫である。
 魚はいる。あとは腕次第だ。

 蒲鉾の最高の原料とされるエソを初めて持ち帰り、フードプロセッサーですり身にして魚ハンバーグにした。若干パサパサするが結構いけるのである。これは、イワシのすり身を加えるなどすると粘りがでて食感が良くなるらしい。
 アカネキントキは初めて釣る魚だった。これとホウボウを刺身で食べたが、どちらも上品と云えば上品、淡泊過ぎるくらいに淡泊で、私には感動する味ではなかった。


野母崎沖 レンコダイ入れ食い 平成25年3月16日

 咲知丸は、いつも乗せてもらうI氏の宝生丸の近くに舫ってあった。I氏は本業の福祉関係の事業が忙しくて、持ち船は半年以上も出船していないはずだ。そのI氏から、友達が釣り船を始めてから乗ってくれないかという電話が入った。
 上りダイのシーズンで、大潮廻りになったら大瀬戸から釣行しようと狙っていた矢先だった。潮廻りが多少気になったが、即、快諾した。ずっと時化続きで釣行ができずにいて、ストレスがたまっていたのもあった。

 I氏の話では、レンコダイがハリ数全部に食ってくるという。レコダイそのものは、そんな美味い魚ではない。淡泊で、水っぽいのである。アマダイも混じるという方に惹かれた。この海域のアマダイは、釣れると大きいのだ。胴付き仕掛けとは別に、アマダイ用に片天仕掛けも用意した。
 今回は電動リール初挑戦だった。水深は130mということなので、落とし込み用に買ってあった竿リールを持ち込んだ。沖釣りにのめり込んで40年以上にもなるが、ずっと手巻きリールでやってきた。随分昔の話だが、沖の瀬や相模湾でアコウダイ釣りが流行ったことがあった。まだ、電動リールが出現する前で、水深300m~500mを釣る過酷な釣りだった。ヤリイカ釣りは冬場の釣り物の定番だが、これも水深200mぐらいまで仕掛けを落とし込むことがある。これらの釣りの全てを手巻きリールでやってきた。
 しかし、今回使ってみて、電動リールの使い勝手の良さに驚いている。初期のゴツイイメージが払しょくできないできた自分が何やら哀れで可笑しかった。   

 釣り場までは航程2時間。タイ釣りの名所・アジソネの直ぐ近くらしい。ポイントについて辺りを見回すと、釣り船らしき船影が5隻ほど見える。いつもなら、ほとんど周りに船影を見ることはない。ここでは珍しいほどの多さだ。
 4本バリの胴付き仕掛け。一番下に小さな片テンビンを付けて、30cmほどのハリスを出してある。結構のこの下バリに掛る確率が高いからだ。地元のベテラン諸氏は7~8本ハリスを出し、中オモリを付けて、食いだしたら、仕掛けを送り込めるようにしてある。レンコダイにしろ、アマダイにしろ、べた底を釣ることになるからだ。
 初回から食ってくる。型は大小混じりで、30cm級から手のひらサイズまでだ。平均20cmといったところ。エサが残っていれば必ず食ってくるという状況が続いた。エサ取りが多くて、魚が付いているハリ以外は殆ど空バリで上がってくる。エサは冷凍エビとオキアミ。冷凍エビの方がエサ持ちが良さそうだ。イカ、キビナゴ餌を持ってきている人がいた。潮が動かないから食いが悪いと船長がぼやく。数が付かないのが不満らしい。型も小ぶりだとか。それでも、ほぼ入れ食い状態だから不満はない。
 夏の時期の時期のヤリイカ釣りもこの辺りだったと思い起こしていたら、スルメイカがっちりと針掛かりして上がってきた。「この前も上がったよ」と、船長が云う。次回はイカヅノ持参もありだ。
 1キロ超級のアマダイが、船中でポツポツと上がる。アマダイを期待して天秤仕掛けに変えたら、途端にオマツリ。早々に断念する。沖カサゴの1キロ超級もあがる。魚の切り身を持参しなかったことが悔やまれる。
 一時、潮が流れて、船が程よく移動し始めたら、ハリ数全部に鈴なりといった状況に。型も20cm超級が多くなる。終日切れ目なく釣れて、私の釣果は60尾前後。大満足の一日だった。やはり、数が釣れると楽しい。数少ない外道は、メッキ(カイワリ)とキントキ。
他に、エソ。エソは、船長も初めて見たと驚くほどの大物。1キロ超級だった。これは大事に持ち帰り、すり身揚げに。これが一番美味かった。


野母崎沖 ガタ釣り絶好調 平成25年10月29日

 今日は、上の写真のH氏の激励会。名目は何でもいいのだが、一年ぶりにこのメンバーが集まった。釣りは、一人で行くも良し、気の合った仲間同士でいくも良し。ただし、私の場合、仲間と呼ぶなら大人の感覚を持ち合わせていてくれることが必須。それぞれが自分の釣り世界に没入できるような気遣いは最低限要ると思っている。このメンバーは、何れもそのことに関しては超一流。終日、マイペースで釣りが出来て、それでいて連帯感が味わえるから嬉しい。

 あとの二人はH氏の友人で年に一度か二度釣りで顔合わせるだけに過ぎないのだが、しょっちゅう会っているような心安さを覚えるから不思議だ。ともかく、自分とは合う人種なのだ。

 今日の船頭さんは「咲知丸」の浜里さん。今回二度目のお邪魔だったが、初対面で浜里さんの人柄に魅入られてしまった。長くインドネシアやタイなどでエビ漁の船に乗ってきたというだけあって、生粋の海の男を感じさせるところがある。大洋のように気持ちが広いのである。もっとも、たくさん釣らせてくれるのが一番の魅力ではあるのだが・・・。
 近々、中古のタグボートをシンガポールに運ぶアルバイトがあって一月ほど留守にするらしい。このようなアルバイトが年に数回あるようだから、なかなか釣り船業に専念できないのも実情らしい。

 釣り場は野母崎半島の沖合140メートルダチ。船は長崎港に係留してあるが、そこから2時間強かかる。4時半に集合して、5時に出船。釣り場近くでようやく明るくなるといった感じだ。小潮まわりとあって100号のオモリがストンと着底する。乗り子兼務で乗船した船長の知人に落とし込んですぐにアタリ。これは300~400グラム級の本命レンコダイ。このポイントはレンコダイしか釣れないが、500~600グラム級の良型が結構混じるし、魚影がすこぶる濃くてほとんど入れ食い状態が続くのも嬉しい。

 この日も、頻繁にアタリがきてメンバーの狩猟本能は高揚しっぱなし。良型のチカメキントキ、カイワリも顔を出す。大瀬戸沖で釣ったカイワリはたっぷり脂が乗ってすこぶる美味しかったが、ここのはパサパサで不味かった。エサの違いなのかも知れない。

 帰港間際に、イトヨリを狙うべく浅場に移動。100mダチを狙う。ここも第一投目から良型のイトヨリがガクガクと竿先を振わしてくれる。1キロ近い大物も。しかし、フグの猛攻にお手上げ。全員道糸まで噛み切られる始末。仕掛けを上げてくると10尾ほどが群れて水面まで上がってくる。降参して早めに納竿。

 私の十分すぎる釣果は、レンコダイ26尾、イトヨリ4尾、他にキンプク、カイワリ、アオナ、エソ、チカメキントキだった。

2023年01月28日

ハズレ無し 長崎のガタ釣り(前編)

H22年1月6日 樺島沖

 Iさんの持ち船で、樺島沖65mダチのイトヨリ狙いに。途中、右手に軍艦島を見る。長崎港からのツアーは大人気で、予約なしでは乗れないらしい。

 この日の天気予報は、北東の風1m。沖に出ると、結構波立っている。釣り場は、航程4~50分ほどの、樺島沖70mダチ。いつもの様に、Iさんに初物が来て、あとはポツリポツリの釣り。イトヨリ狙いだが、型のいいアラカブ(カサゴ)が、結構混じるのが嬉しい。釣りたては、煮魚にすると、味よし、ポクポクした食感よしで、最高だ。人によってバラつきがあったが、私はイトヨリ25~30cmを10尾前後の釣果。他にアラカブ、ウマヅラハギ、ナベタなどが混じった。

 Iさんと私の釣果


H23年10月10日 樺島沖

 Iさん(兄)は相変わらず見せてくれます。レンコダイの一荷。

 T先生には大きなエソ

 私は、初めてサンマの短冊を餌にしてみた。イトヨリ、レンコ、キンプク・・・何でもOKのようです。ちなみに、サンマ2尾分で、終日釣ることができた。

 I(弟)さんは、良型のイトヨリの一荷です。船のオーナーだけに、このご兄弟には、いつもかないません

 I(兄)さんの分と私の分を合わせた釣果


平成24年5月19日 野母崎半島沖

 イトヨリ

 レンコダイ(キダイ)

 アオナ

 五月の連休は他の予定が入っていてお誘いをパスしたが、その日は随分と釣れたらしい。船中、10キロ超のヒラメ(?)や大アマダイが上がったとか。 釣り場までは長崎港から17~18ノットの船足で1時間半。途中まで進行方向左側に見えていた野母半島が徐々に薄く小さくなり、やがて見えなくなるとポイントに到着だ。

 水深は90m前後。海底はいわゆる潟(ガタ)で、水中アンカーを引きずって長時間船を流し放しにして釣るのだが、この海域はかなり広いガタが広がっているようだ。どこまで流されても水深はほとんど変わらない。  

 同乗者は片舷3名の計6人。うち二人は新顔。訊けばこの船に乗るのは3度目だとか。前は自前で船を持っていて、五島の向こう側まで遠征したことがあるという。長崎の人々は車の免許を持つように船の免許を持っている。

 前回大アマダイが釣れたポイントから始める。いきなりトモの同乗者に良型のイトヨリが来た。私にもアタリがあったが針掛かりせず。しょっぱなから嫌な雰囲気だ。他の人にもどんどん当たり始める。レンコとイトヨリの交じりだ。ミヨシのベテラン氏はレンコ、レンコ、イトヨリ、イトヨリの4連釣り。7本バリの胴付仕掛けで、中錘を付けている。これは、仕掛けを這わせるようにして海底ぎりぎりを狙うためだ。

 それにしても、潮が速い。私にも待望の針掛かりで、ガクガクと首を振るような強い当たりが手巻きリールのハンドルに伝わってくる。と、船が風に押されて道糸が引っ張られたのと敵さんが大きく引き込んだのとが同時で、ふわっと軽くなり、痛恨のバラし。仕掛けを見たら、ヨリ戻しに連結した幹糸が結び目の近くで見事に切れていた。

 ポイントは狭いらしい。今日のように潮が速く流れる時は一気に流されてポイントを外れてしまうらしい。船長の移動の合図で、場所替えだ。  また、しばらく南に走って入れ直しだ。こちらも水深は90m前後。私は天秤仕掛けに、ご当地で獲れる冷凍エビを餌にしたが、ベテラン氏はオキアミを併用している。ここでも、彼は好調で、2尾掛け、3尾掛けを連チャン。どうも、今日はオキアミ餌に分があるようだ。 

 私の隣はエソの入れ食いだ。大きいのは30セン以上もある。これの蒲鉾は最高だという。しばらく中弛みが続く。船中思い出したころにイトヨリ、レンコが上がってくる。

 一時だが、私に連釣の時間が回ってきた。もっとも気分のいい時間だ。これもイトヨリ、イトヨリ、レンコの3尾で終わってしまう。本日のクライマックスはアオナ。小さなモゾモゾが2、3度続き、竿をあおると確かな手ごたえ。タイのような垂直な引きも結構強烈だ。ハリスを手繰りあげると、草色っぽい獲物が見えてきた。これは、ご当地の人がアコウとともに珍重するハタ科のアオナ。

 帰港間際にミヨシの二人だけが入れ食いとなり、他は指を咥えて見ている状況が続き納竿。私はイトヨリ3尾、レンコ2尾、アオナ1尾の貧果だった。

 神奈川の三浦半島でやったアマダイ釣りの仕掛け、釣り方で挑戦したが、次からは現地のやり方に変えようかと思っている。

2023年01月15日
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