ハズレ無し 長崎のガタ釣り(後編)

野母崎沖 八目釣り 平成24年9月22日

    エソ

     アカネキントキ

    シロサバフグ

    カイワリ

     イトヨリ

     ホウボウ

     レンコダイ

      アオナ

 この日釣れた魚をずらりと並べてみる。五目釣りならぬ八目釣りである。左上から順番に、エソ(これは大漁だった)、アカネキントキ、シロサバフグ、カイワリ、イトヨリ、レンコダイ(関東ではキダイ)、ホウボウ、アオナとなる。
 船中は、私がスソを引いたが、地元のベテラン諸士はさすがで、特に後半は入れ食い状態。キロ級のイトヨリを連釣していた。

 敗因を分析してみると、まず軟調の竿、小さな針、仕掛けに尽きる。まず竿だが、微妙なモタレを取り、素早く合わせるには向かない。カワハギ釣りの要領が、そのままガタ釣りにはあてはまると見ている。小さな針は針掛かりに問題がある。巻き上げ途中のすっぽ抜けはこれが原因だ。
 仕掛けだが、底に小形テンビンを付けて、そこから70センチ前後の枝ス(地元の諸氏は30センチ前後と見たが・・・)を出すのが、イトヨリ仕掛けの定番らしいのだ。
 それと、メインの部分の枝スだが、これも極端には5センチの長さと書いてある資料もある。やはり、これからもエサ取りの上手なカワハギ対策を思い出す。枝スの短くして遊びを小さくすることで、アタリを敏感に感じ取る工夫である。
 魚はいる。あとは腕次第だ。

 蒲鉾の最高の原料とされるエソを初めて持ち帰り、フードプロセッサーですり身にして魚ハンバーグにした。若干パサパサするが結構いけるのである。これは、イワシのすり身を加えるなどすると粘りがでて食感が良くなるらしい。
 アカネキントキは初めて釣る魚だった。これとホウボウを刺身で食べたが、どちらも上品と云えば上品、淡泊過ぎるくらいに淡泊で、私には感動する味ではなかった。


野母崎沖 レンコダイ入れ食い 平成25年3月16日

 咲知丸は、いつも乗せてもらうI氏の宝生丸の近くに舫ってあった。I氏は本業の福祉関係の事業が忙しくて、持ち船は半年以上も出船していないはずだ。そのI氏から、友達が釣り船を始めてから乗ってくれないかという電話が入った。
 上りダイのシーズンで、大潮廻りになったら大瀬戸から釣行しようと狙っていた矢先だった。潮廻りが多少気になったが、即、快諾した。ずっと時化続きで釣行ができずにいて、ストレスがたまっていたのもあった。

 I氏の話では、レンコダイがハリ数全部に食ってくるという。レコダイそのものは、そんな美味い魚ではない。淡泊で、水っぽいのである。アマダイも混じるという方に惹かれた。この海域のアマダイは、釣れると大きいのだ。胴付き仕掛けとは別に、アマダイ用に片天仕掛けも用意した。
 今回は電動リール初挑戦だった。水深は130mということなので、落とし込み用に買ってあった竿リールを持ち込んだ。沖釣りにのめり込んで40年以上にもなるが、ずっと手巻きリールでやってきた。随分昔の話だが、沖の瀬や相模湾でアコウダイ釣りが流行ったことがあった。まだ、電動リールが出現する前で、水深300m~500mを釣る過酷な釣りだった。ヤリイカ釣りは冬場の釣り物の定番だが、これも水深200mぐらいまで仕掛けを落とし込むことがある。これらの釣りの全てを手巻きリールでやってきた。
 しかし、今回使ってみて、電動リールの使い勝手の良さに驚いている。初期のゴツイイメージが払しょくできないできた自分が何やら哀れで可笑しかった。   

 釣り場までは航程2時間。タイ釣りの名所・アジソネの直ぐ近くらしい。ポイントについて辺りを見回すと、釣り船らしき船影が5隻ほど見える。いつもなら、ほとんど周りに船影を見ることはない。ここでは珍しいほどの多さだ。
 4本バリの胴付き仕掛け。一番下に小さな片テンビンを付けて、30cmほどのハリスを出してある。結構のこの下バリに掛る確率が高いからだ。地元のベテラン諸氏は7~8本ハリスを出し、中オモリを付けて、食いだしたら、仕掛けを送り込めるようにしてある。レンコダイにしろ、アマダイにしろ、べた底を釣ることになるからだ。
 初回から食ってくる。型は大小混じりで、30cm級から手のひらサイズまでだ。平均20cmといったところ。エサが残っていれば必ず食ってくるという状況が続いた。エサ取りが多くて、魚が付いているハリ以外は殆ど空バリで上がってくる。エサは冷凍エビとオキアミ。冷凍エビの方がエサ持ちが良さそうだ。イカ、キビナゴ餌を持ってきている人がいた。潮が動かないから食いが悪いと船長がぼやく。数が付かないのが不満らしい。型も小ぶりだとか。それでも、ほぼ入れ食い状態だから不満はない。
 夏の時期の時期のヤリイカ釣りもこの辺りだったと思い起こしていたら、スルメイカがっちりと針掛かりして上がってきた。「この前も上がったよ」と、船長が云う。次回はイカヅノ持参もありだ。
 1キロ超級のアマダイが、船中でポツポツと上がる。アマダイを期待して天秤仕掛けに変えたら、途端にオマツリ。早々に断念する。沖カサゴの1キロ超級もあがる。魚の切り身を持参しなかったことが悔やまれる。
 一時、潮が流れて、船が程よく移動し始めたら、ハリ数全部に鈴なりといった状況に。型も20cm超級が多くなる。終日切れ目なく釣れて、私の釣果は60尾前後。大満足の一日だった。やはり、数が釣れると楽しい。数少ない外道は、メッキ(カイワリ)とキントキ。
他に、エソ。エソは、船長も初めて見たと驚くほどの大物。1キロ超級だった。これは大事に持ち帰り、すり身揚げに。これが一番美味かった。


野母崎沖 ガタ釣り絶好調 平成25年10月29日

 今日は、上の写真のH氏の激励会。名目は何でもいいのだが、一年ぶりにこのメンバーが集まった。釣りは、一人で行くも良し、気の合った仲間同士でいくも良し。ただし、私の場合、仲間と呼ぶなら大人の感覚を持ち合わせていてくれることが必須。それぞれが自分の釣り世界に没入できるような気遣いは最低限要ると思っている。このメンバーは、何れもそのことに関しては超一流。終日、マイペースで釣りが出来て、それでいて連帯感が味わえるから嬉しい。

 あとの二人はH氏の友人で年に一度か二度釣りで顔合わせるだけに過ぎないのだが、しょっちゅう会っているような心安さを覚えるから不思議だ。ともかく、自分とは合う人種なのだ。

 今日の船頭さんは「咲知丸」の浜里さん。今回二度目のお邪魔だったが、初対面で浜里さんの人柄に魅入られてしまった。長くインドネシアやタイなどでエビ漁の船に乗ってきたというだけあって、生粋の海の男を感じさせるところがある。大洋のように気持ちが広いのである。もっとも、たくさん釣らせてくれるのが一番の魅力ではあるのだが・・・。
 近々、中古のタグボートをシンガポールに運ぶアルバイトがあって一月ほど留守にするらしい。このようなアルバイトが年に数回あるようだから、なかなか釣り船業に専念できないのも実情らしい。

 釣り場は野母崎半島の沖合140メートルダチ。船は長崎港に係留してあるが、そこから2時間強かかる。4時半に集合して、5時に出船。釣り場近くでようやく明るくなるといった感じだ。小潮まわりとあって100号のオモリがストンと着底する。乗り子兼務で乗船した船長の知人に落とし込んですぐにアタリ。これは300~400グラム級の本命レンコダイ。このポイントはレンコダイしか釣れないが、500~600グラム級の良型が結構混じるし、魚影がすこぶる濃くてほとんど入れ食い状態が続くのも嬉しい。

 この日も、頻繁にアタリがきてメンバーの狩猟本能は高揚しっぱなし。良型のチカメキントキ、カイワリも顔を出す。大瀬戸沖で釣ったカイワリはたっぷり脂が乗ってすこぶる美味しかったが、ここのはパサパサで不味かった。エサの違いなのかも知れない。

 帰港間際に、イトヨリを狙うべく浅場に移動。100mダチを狙う。ここも第一投目から良型のイトヨリがガクガクと竿先を振わしてくれる。1キロ近い大物も。しかし、フグの猛攻にお手上げ。全員道糸まで噛み切られる始末。仕掛けを上げてくると10尾ほどが群れて水面まで上がってくる。降参して早めに納竿。

 私の十分すぎる釣果は、レンコダイ26尾、イトヨリ4尾、他にキンプク、カイワリ、アオナ、エソ、チカメキントキだった。

2023年01月28日