マダイ釣り苦戦日記

平成23年2月18日 乗っ込み まだかな・・・

長崎県大瀬戸沖 けいせい丸にて

 食い渋りました。というよりも、今一番魚釣りに酷な季節かも。水温は、一年の中で、一番低い時期。回遊するベイトも、カタクチイワシぐらいのもの。漸く釣れた、らしき一匹。これが本日の全釣果。鯛は35センチ級です。海の季節は例年より遅れ気味とか。3月の半ばぐらいからかな。

 この日の釣行記には、上の数行し書かれていなかった。この時の船宿は大瀬戸漁港(長崎)のけいせい丸。大瀬戸の沖には、島と瀬が点在し、長崎有数の釣場だ。マダイはもとよりイサキ、ヤリイカ(ケンサキイカ)、クロ(メジナ)、ヤズ、ワラサ、ブリ、カンパチ、ヒラマサ、ヒラメなど多彩な魚種の旬の釣りが楽しめる。当時住んでいた長崎市内から漁港までは、長崎県の西岸を縫うつづら折りの路を車で1時間強かけて辿ることになる。途中の断崖の高台に隠れキリシタンの里外海(そとめ)がある。した

 釣り方は「タイラバ」。この釣り方では、私は全くの初心者だった。マダイ釣りは、オキアミ餌で、オキアミをコマセて釣るビシ釣りしかやったことがなかったのだ。新調した竿はタイラバ専用竿だったが、リールは手巻き。他の乗船者は皆が皆小型の電動リール。これが、のちのちまで祟ることになる。タイラバ釣りの肝は、定速での巻き上げと、早合わせの我慢にある。竿掛けに掛けたまま電動で定速巻き上げ、前アタリのコツコツは受け流し、竿先が深くおじぎするまで待ってやおら合わせる。これがオーソドックスなタイラバ釣りだ。手巻きだと、前アタリに過敏に反応してどうしても早合わせになるのだ。コツコツの前アタリで反射的に合わせて、何度失敗したことか。


平成23年3月18日 乗っ込みマダイ本番 

平成23年3月18日(大潮)大瀬戸・けいせい丸から出船。

 河岸払いは6時半。鯛ラバに餌を付けての釣り(邪道らしいのだが)は何度かやっているいるが、鯛ラバオンリーの釣りは今回初挑戦。
鯛ラバの選定と巻き上げのスピードがカギだと森内船長は言う。
釣り場は航程30分ほどの、80~90mダチ。ポイントには職漁船が5~6隻。いつもならけいせい丸の独り舞台なのだが、さすがにマダイの乗っ込みシーズン、期待が膨らむ。

 第1投目。トモの常連さんに早速アタリ。竿受けに掛けたまま電動リールが勝手に巻き上げてくれている。時々竿先が水中深くに引っ張り込まれるのを眺めていると、手巻き派は心配になる。タモに収まったのは、2キロ超級のまずまずの型。電動リールで、巻き上げのスピードはバッチリとセットしてあるから、手釣りよりは有利だと船長は言う。

 船長の釣り方を見本に、底上5mから30mの間を探るが、一向にアタリが来ない。その間、右も左も後ろも「アタッた」「アタッた」の連呼。イライラは最高潮に達する。こちらもアタルのだが竿に乗らない。巻き上げ途中でのバラシも多い。午前中は型見ずで終了。

 午後の潮変わりになってから(釣り座的には有利になる時合)、船長が見かねて、アタリ鯛ラバを持ってきてくれる。と、不思議なもので、早速アタリ。しかし、油断していたから、竿が絞り込まれる前に反射的に合わせて、これは失敗。しかし、その後は、また、沈黙の時が流れていく。

 再び、船長にフォームをチェックしてもらう。「うん、ちょっと速いかな」。で、リールの巻き取り速度を緩めた瞬間竿先にモタレるようなアタリ。瞬間的に合わせてしまい、これも大失敗。でも、何となく分かりかけてきた感じ。釣りはやっぱり体で覚えるしかない。

 残り2時間で、2キロ弱を2尾。0.5キロ級を2尾。おまけ良型のにアラカブ1尾。初回としてはまずまずの一日だった。


平成23年3月30日 乗っ込みダイ釣り三度目の挑戦

 上の写真は、残念ながら私ではない。今回の私の釣果は、他のお客さんに比べたらあまりにも貧弱で、絵にならないのである。釣果は絶対だ。その日の運と当人のウデがそのままでる。負けは負けなのである。ちなみに、この日は、何と船長がボウズ。一筋縄ではいかないからこそ釣りは面白い。写真の彼だが、3キロ前後のまさに桜鯛を3尾。さらにおまけが付いて、3キロ級のワラサ一尾と、何ともうらやまし~い限りだったのである。

 平成23年3月30日(若潮)大瀬戸・けいせい丸から出船。河岸払いは6時半。鯛ラバを何とかマスターしたと思ったら、今からは「インチク」だと言う。

 これも鯛ラバと同じで、巻き上げのスピードがカギだと森内船長は言う。そして、鯛ラバとは、そのスピードが違うのだとも言う。そして、「手巻きではなー」と首を傾げ、「電動リールならスピードを合わせれば必ず釣れるのに」とのたまう。手巻きこだわり派には、絶望的な宣告だった。

 釣り場は航程30分ほどの、80~90mダチ。前回とほぼ同じ海域だ。周囲には職漁船が2隻。状況はあまり良くないようだ。一流し目に、トモとその隣に2.5キロ前後が来る。左舷ミヨシ側の私と右舷ミヨシ側の写真の彼はカラ振り。
 大抵は、一人にアタルとバタバタと2~3人にはアタルものだが、この日は完全に拾い釣りの状態で、アタリも少ない。私の釣り座からは道糸が前方に流されて行くから船は後方に流されていく。、釣り座としては終日非常に不利状況が続いたのも事実だった。

 アタリもなくなり、皆がだれて腹ごしらえ入った時に、私に待望のアタリ。これは1キロオーバーの桜鯛。他のシーズンなら十分良型と言えるが、のぼりダイシーズンでは小物の部類だ。仕掛けを下ろす時に喰ったものだから、この時点でも巻き上げのスピードには自信が持てないままだ。私にアタッタのを見ていた写真の彼が、仕掛けを入れるとすぐに喰ってきて、これは2.5級の良型。それと並べてみると何とも見劣りがしてがっかり。

結局、この日のアタリはたったの3回だけ。それも、そのうちの2回は回収の時に、30~40mも底を切ったところでアタッタもの。回収の時は油断しているから、反射的に早合わせをして、竿に乗らないという最悪のパターンに。まだまだ、修行が尽きないのぼり鯛釣りなのである。


平成23年4月24日 乗っ込みダイの名所 アジゾネにて

 新三重漁港からはつしお丸で出船。前日の電話では午前3時の河岸払いということだったので、携帯電話のアラームを午前1時に設定する。アラームより早く起きるのが、いつもの習慣。前夜10時半に一旦目覚めたら、そのまま眠れなくなってしまう。
 狙いは、のぼりダイ釣りの名所アジソネの桜ダイ。船頭が言うには「今年はよくない」らしい。前日は、赤潮気味で、汚れがひどかったようだ。いわゆる「ベト」が浮遊していて、繊維状の汚れが仕掛けにまとわりつく最悪のコンデションだったと言う。
 アジソネまでは高速モードで1時間半。広いキャビンでうとうとしている間に到着した。この船宿の料金は他の船の二倍だが、船は豪華だ。まだ、夜が明けきらず、僚船の灯りが点々と闇に浮かんで見えている。さすが、桜ダイの名所だ。長崎ではめずらしいほど釣り船の多さだ。

 この日はウキ流し釣り。仲間4人のウキが適度な間隔を保ちながら舟べりと垂直に流されていく。今日の潮はよく澄んでいる。期待が膨らむ。一投目で隣の本田氏にアタリ。50mぐらい流された比較的近場だった。フタ開けは「クロ(メジナ)」。500~600グラムと小ぶりだ。続いて岳下氏に。これはマダイ。これも500~600グラムと小型だ。乗り子と常連さんが立て続けにタイを上げる。こちらは1キロ前後のマズマズの型だ。
 何投目かで私の浮きにもアタリが来て、水中に没する。手巻きにこだわる私に、「船頭は電動リールを買えば・・・」と気の毒そうに云うが、その手元にはあまり手ごたえがない。これも500~600グラムのクロ。船頭が、私の仕掛けを見て、「ここの仕掛けは15m~20m」とアドバイスをしてくれる。イサキのウキ流し釣りでは、せいぜい全長10m。その仕掛けでもタイは食ってくる。急遽仕掛けを作り直す。が、その後もアタリはゼロ。

 やがて、潮変わりが来て、全員釣り座を右舷から左舷に移動。タイは潮変わりにバタバタと釣れることが多い。予想通り、潮先の乗り子と常連さんが2キロ前後の良型を連釣し始める。仲間では岳下氏がキロ級を追釣。と、私にも120m前後流されたあたりでアタリ。糸のタルミを取ると、グイグイと引っ張る手ごたえが伝わってくる。キロ級は間違いない。しかし、30mほど巻き上げたところで外れてしまう。合わせが効いていなかったか、掛りが浅かったかだ。~口惜しい。
 気を取り直して、次のチャンスを待つもアタリは相変わらず遠い。仲間も同じだ。半分諦めていた時に、浮きがボコッと水中に没した。先ほどの外れたシーンが頭をよぎり、反射的に思いっきり合わせをくれてやる。と、すっぽ抜け。仕掛けを上げてみるとハリスがチモトのところで見事に切れていた。切り口から判断すると歯に擦れて切れたらしい。結局、これが最後のアタリになり、写真のような貧果に終わってしまった。自称ベテランも、新場所では初心者だ。


岳下氏に良型

氏の全釣果(仲間4人の竿頭)

私の貧果

2023年01月06日