季節ハタハタ釣り苦戦日記(2019年)前編

 11月24日 季節ハタハタ漁の予測発表

 今朝の魁新聞(秋田県のローカル紙)に待望の季節ハタハタ漁の予測記事が掲載された。それによると11月24日を挟んで前後3日間と早い予測になっている。これは史上まれな早さらしい。例年通り12月10日前後と予測して備えていた私は、急遽今日は仕掛けづくりに充てることにした。ここ2~3日ハタハタ起こしと言っても良いような猛烈な季節風が吹き荒れている。これに雷が伴えば確実に季節ハタハタ漁モードだ。

 準備は、段ボール箱に乱雑に投げ込んである春夏秋向けに作って余った仕掛け類をまず片付けることから始まる。古いリールも何組も入っている。どっか具合が悪くて実戦から遠ざけてあるものだが、捨てきれずにいるから、たまる一方なのだ。ルアーも結構な数が投げ込んである。手入れが悪いからフックは大抵サビだらけだ。

 今期は餌釣りを主体にするつもりだから、アジの餌釣りに使った仕掛けは流用できる。軸の長いキスバリもスキンを巻いて使うつもりでいる。餌釣りにはヤマメ袖バリ7~8号にハリスは1号~1.5号。ハリスは0.8号でも十分なのだが絡みが多くなるので太めにしている。幹糸は1.5~2号。これも絡みを少なくするために太めにしている。ハリス間隔は肘~片腕。仕掛けづくりは体の部位を物差し代わりにする。両腕を広げて一ヒロ。片腕+胸幅で矢引、などなどである。
 
 水深がない象潟漁港の船路や酒田北港では、渓流用のルアー竿を使うのでオモリはアユの転がしに使う2号のオモリを転用する。転がしに使用するオモリは丸い形をしていて比較的根掛かりが少ないようだ。
 水深がある場所や足元からやや離れた場所を狙うときは5.3m、オモリ負荷3号の磯竿を使っている。この竿の時は5~6号のオモリをぶら下げる。水深、潮の流れで適宜使い分けるので10号ぐらいまでのオモリは揃えてある。

 早ければ明日にも季節ハタハタはやってくる。さあ~、仕掛けづくりだ。


 11月27日 男鹿で季節ハタハタの初漁

 今年は底引き網漁のハタハタの好調が伝えられている。ハタハタ釣りオタクにはワクワクする情報だ。今朝の秋田魁新聞に男鹿での季節ハタハタ漁の初水揚げの記事が掲載された。600キロほどの水揚げで、まだ斥候隊のようだが、本体の回遊も2~3日後には確実にやってくるはずだ。
 季節ハタハタの回遊は北から順に始まる。ここ庄内は男鹿のそれからは十日ほど遅れるのが普通だ。隣接する金浦、象潟方面でさえ数日は早い接岸となる。
 しかし、昨年は違っていた。象潟・金浦も酒田北港も同日の12月9日だった。今年も油断大敵だ。ここ何日かはちょうど大潮が続く。特に木曜日辺りは時化の予報が出ている。木曜日か金曜日の午後の上げ潮時に期待だ。両所を行ったり来たりするつもりでいる。

追記
 今朝も6時を少し過ぎて、あたりが明るくなるころルアー竿を担いで地元の波止を歩いてみた。昨日サーフで男性の腐乱死体が上がったばかりなのでサーフは遠慮することにした。ちょうどその頃、私も近くで竿を振っていた。魚も釣れなかったが土座衛門にも遭遇しなかったから良しとしなければ。
 さて今朝の状況だが、やはり20人近い釣り人が竿を出していた。潮色は昨日に比べて澄んできた。しかし、枯れ葉が頻繁にフックに引っ掛かってくる。程よい間隔で並んだルアー釣りだが誰にも上がっていなかった。私も場所を変えながらルアーを引っ張ってみる。しかし、かすりもしなかった。
 ルアー釣りとアジ釣りを兼ねてやってくる釣り人が増えている。この日も数組いた。昨日はカゴ釣りで型の良いのが釣れていた。釣れるポイントはテトラの向こうで、5人ほど竿を出せばいっぱいだ。この日も割り込む余地はなく、私は諦めることに。
 今朝も顔なじみがカゴ釣りをしていた。布バケツを覗かせてもらったが17~8センチ級が10尾ほど入っていた。ポイントには入れればまだいけそうだ。今朝も彼はかなり早く釣り場に来ていたはずだが、先客が占拠していていつもの自分の場所に入れないでいた。彼を含めて2~3人で釣っていたころが懐かしい。


 11月28日 季節ハタハタ続々接岸

 いよいよ季節ハタハタ釣りの時期が来たようだ。昨日は、一昨日の男鹿に続いて、能代、八峰町、由利本荘市で水揚げがあった。庄内では夕べから強い季節風が吹き続けている。季節ハタハタを呼ぶ風だ。午後に大潮の上げ潮がくる。この潮に乗って他の地域でも季節ハタハタがやってくる確率は高い。今朝は、越境して象潟・金浦方面に向かうか、それとも思い切って本荘マリーナまで行ってみるか、いや酒田北港だ、・・・などと迷っている。

 昨日の庄内浜は季節風も止んで釣り日和だった。朝方はサゴシ狙いで波止に行ってみた。釣れていないこともあって釣り人はまばら。移動しながらルアーを投げてみるがかすりもしない。見回しても皆不発のようだ。早々に退散する。
 午後は上げ潮を狙ってアジのカゴ釣りに行ってみる。すでに、内陸からしょっちゅう出かけてくる顔なじみが入れ食いだ。20尾ほど入った肥料袋を見せてくれた。隣に入れてもらう。しかし、サバが一匹釣れただけでアタリのない状況が続く。場所替えだ。
 今の時期のアジ釣りは難しい。サビキによる違いも激しい。釣り方も微妙だ。私はコマセの節約のために、波の上下動などで自然にコマセが出るにまかせるようにしている。しかし、今の時期アジは、遠投して、時々竿先をあおってコマセを少しづつ撒きながら手前に引っ張てくる釣り方の方が確率がいい。地元の常連Oさんも顔なじみ氏もその釣り方だ。
 場所替えしてからはポツリポツリとアジが釣れだす。しかし、ほとんどが一尾掛けで、それもコマセかごに近い上バリだけに食ってくる。ウキなどの関係で私の場合は遠投ができないので流れに乗せてアタリを待つ釣り方を続ける。やはりご両人に比べたら釣れる間合いが長い。臨機応変釣り方、仕掛けを変えることが大事だ。
 釣果は、3時間ほどで30尾超。型は小さくて15~18センチが主体。内陸の顔なじみのお父さんは、50~60尾。地元名人Oさんのは確認しなかった。

今朝の秋田魁新聞の記事


 11月29日 金浦漁港

 季節ハタハタの接岸はその筋の予測通り早かった。金浦では一昨日(11月27日)から釣れだしたようだ。私も早速昨日の午後に行ってみた。現場に着くと駐車スペースは車、車。そして、盛んに竿が上がっている。東側の岸壁の中心付近に群れが集まっているようだ。もちろん、釣り人も群れている。割り込みは苦手だ。昨年大釣りしたあたりには誰もいない。そこで竿を出すことに。
 まず、足元を餌釣りで狙うも反応なし。ルアー竿に変えて皆がやっているようにチョイ投げでやってみる。これも不発。早々に集団の端っこに移動。しかし、私とすぐ隣は全く釣れない。クーラー満タンで帰る釣り人がもう少し(集団の)中に寄らないと釣れないよとアドバイスしてくれる。しかし、割り込む度胸がない。北側の岸壁は釣り人がまばらだ。遠投だがポツポツ釣れている。道具一式抱えて移動だ。

 場所替えからはほぼ入れ掛りになる。ただ、遠投しての釣りだから効率が悪い。底を引きずるようにして軽く竿をあおると引っ掛かってくる。100%スレだ。仕掛けはアジ釣りに使っていた自製のサビキ。シロギスのハリに白スキンを巻いてある。周りよりは確率が良いから、この仕掛けでもいけそうだ。手間暇はかかるが材料費は安い。今年のハタハタは去年のものより一回り大きかった。2~3年物だ。スレで掛かってくるので結構重い。

 時折竿をひったくるような小雪混じりの強風が吹きつける。遠投した糸が風で流される。着水したら竿を下げてすぐに巻き上げてたるみを取るようにする。これで隣とのおマツリ少なくなる。
 午後4時ごろからはサビキを咥えて上がってくるようになる。こんな時は餌釣りに切り替えたほうがいいのだがシャクリで十分釣れているのでそのままで続行。4時半ごろになるとアタリが遠くなる。隣におばちゃんが割り込んできたのを潮に竿を畳む。帰り際にハゲ皮の普通のサビキに変えてやってみたが釣れ具合にはっきりした変化は見られなかった。これは100円ほどの安サビキだ。

 結局、一番釣れているポイントには入れなかったが3時間ほどで66尾の釣果だった。メスは2尾だけ。象潟方面の情報だが、釣り人は誰もいなかった。良く釣れる灯台側の岸壁は、今年は釣り禁止にしたようだ。釣り人のマナーの悪さが理由だが、私でも納得できる。いつもこの時期になるとサビキの包装やらサビキの残骸やらが至る所に散乱している。毎年地元で毎日片付けでいたことも知っている。誰もが楽しめる釣りをしてもらいたいものだ。


 11月30日 金浦漁港

 昨日(11月30日)のことである。前日の好調に気を良くして、朝マズメを狙うべく出かける。金浦に着いたときは、空が少し明るんできていた。意外にも釣り人は20人にも満たなかった。いやな予感が。誰も動きが鈍い。釣れていないのだ。じっと待つのもなんで、散歩とばかりに歩き回ることにする。
 辺りがかなり明るくなった頃、竿が立ち始めた。その頃には横に3人組が並ぶ。かなりハタハタ釣りに自信がありそうなメンバーだ。竿を出すと遠投に確率50%で掛かってくる。そのうち、両隣が連釣し始めるとこちらは絶不調に。彼らの半分も釣れない。一時間も経たないうち時合が終わる。悔しさもあって潔く竿を畳む。釣果は2~3年ものが13尾。
 
 そして、午後に再挑戦。釣り場に着くと予想に反して釣り人はまばら。港内の入り口付近で遠投している釣り人にポツポツと掛かっている状況だ。昨日釣れたポイントには誰もいない。日によって群れのつく場所は変わる。割り込むのもなんで、私はまず前日のポイントで竿を出す。
 時折、飛ばされそうな突風が襲ってくる。車の中に暫く退避だ。突風が止んで再び竿を出すと、いつのまにかそばに寄ってきたご仁が、岸壁の縁に立つと危ないからと話しかけてきた。親切なアドバイスにしては強い口調だ。そのうち、どこで誰が落ちたとか、投げるならそっちはダメでこっちの方向だとか、すっかり説教調に。それもケンカ腰だ。いや~、世の中にはいろんな人がいる。そんなこんなで一匹も釣らずに退散した。

 金浦漁港で何人かと情報交換したが、西目漁港で釣れ始めたようだ。しかし、西目漁港では転落事故を受けてヘンスで立ち入りを禁止しているようだ。それでもヘンスを乗り越えて釣り人が入り込んでいるらしい。漁業権が設定されていない酒田北港に早くやってこないかな~。

 今日は昨日の不調を受けて新しい仕掛けを作ってみた。良く釣る釣り人の仕掛けを見ると、大抵ハリは矢島型だ。随分と前に買い込んであったアユの転がし釣りのハリがこの矢島型だ。これにフラッシャーとスキンを巻いてみた。明日は日曜日。混雑が予想される。明後日はこれの試し釣りだ。


 12月1日 秋田県南漁港巡り

 目覚めたら穏やかな天気だった。今日は日曜日。休むつもりが、むらむらとその気になって朝食後すぐに出発。まずは、象潟漁港へ。規制のかかっていない水路の東側に車を停める。規制されているはずの灯台側に4、5人、水路の東側にも4、5人と空いている。灯台側は釣れている気配がなかったが、こちら側は遠投の釣り人が3~5割ぐらいの確率で釣りあげている。私も遠投で。
 と、第一投目にヒット。幸先が良い。やはり3~5割ぐらいの確率だ。そのうち隣に一人釣り人が並ぶ。ちょっとポイントがずれているらしく、彼は2~3割ぐらいの確率だ。転々と根があって藻が生えているらしく10投目に一度は根掛かりだ。仕掛けの消耗が激しくて閉口だ。15尾ほど釣り上げたところで根掛かりし、仕掛けを交換している間に左隣との間に割り込みが入る。その少し前に右隣りにも割り込みがあったから風が出てきてからの遠投にはすこぶる窮屈だ。竿を畳んで退散する。黄色のアノラックを着たまだ若い人だった。路上駐車の車はどれも庄内NOだった。彼も私と同じ庄内人(私は生まれは秋田県大仙市。純粋の秋田県人。移住6年目)。情けない。地元の人は数が釣れないとなると出てこないのだ。秋田県人はおおらかだ。

 次は金浦だ。漁協の前に程よい間隔で並ぶのはイワシのコマセ釣りだ。ポツリポツリと15センチほどのマイワシが上がっていた。ハタハタ釣りは北側の旧漁港だ。釣り人の数だが平日の倍はいる。この日のポイントは南寄り。その場所だけがチョイ投げで6~7割の確率で釣れていた。竿を出さずに移動だ。


 次は平沢漁港。ここはテトラに乗っての釣りになる。この場所の釣りに慣れているらしい二人が、遠投して8割ぐらいの確率で上げている。そのすぐ沖では定置網を引き上げている最中だった。私も竿を出してみたが、一投目から根掛かりして仕掛けをロス。テトラの上なので足元もおぼつかない。分際をわきまえろだ。それっきりで竿を畳む。

 次に西目漁港へ。外海に面した堤防の上では数十人が重なるようにして竿を振っている。誰もが入れ食いだ。ダブル、トリプルも頻発だ。まさに爆釣の真っ最中。しかし、その場所に入るには「立ち入り禁止」の看板がぶらさがった鉄格子を二か所クリアしなければならないようになっている。最初の関門では有刺鉄線が巻かれた格子をくぐり抜けなければならない。これを無事通過すると第二の関門だ。2mを超す鉄格子をよじ登っていかなければならない。とても八〇キロ超の体重がある私には、その気になっても無理だ。大型クーラーは満タン。そのほかにゴミ袋に半分ほど詰めたものを持ち帰る釣り人もいた。離岸流が勢いよく流れて岸壁を洗っていた。ハタハタの活性が高いはずだ。指を咥えて竿を出さずに本荘マリーナへ移動だ。

 本荘マリーナは相変わらず人人で大混雑。ゆうに数百人はいそうだ。しかし、歩いてぐるりと巡ってみるもハタハタは全く釣れていなかった。西側に寄るほど好場所らしい。大型バケツに半分ほどハタハタが入っていたのもあった。時合には釣れたようだ。

 帰りがてら象潟を覗いてみた。まだ黄色のアノラックの割り込みご仁が頑張っていて、7~8割の確率で掛けていた。朝方いた人たちは誰もいなかった。こんなねっちこい人にはかなわない。明日からは平日だ。年寄りの世界だ。これからは象潟がねらい目かも。

 金浦漁港


平沢漁港

西目漁港

本荘マリーナ


 12月2日 金浦漁港

 何の魚でも、魚が釣れている時は朝早く目覚めて寝付かれなくなる。今朝も午前2時に目を覚まして、そのまま眠れなくなった。予定では早い朝食をとり、午前7時頃から竿を出すつもりでいた。しかし、ハタハタが夜陰に乗じて象潟漁港に入ってきているような予感がして、居ても立っても居られなくなり、ポットに熱い麦茶を詰め暗い中出発する。夜は水路を照らす灯り集まっていることが多い。そんな時は餌釣りも有効だ。オキアミも持参する。
 まずは象潟漁港で。大抵水路に向かう路上には何台か車が停車しているはずなのだが、今日は一台も無い。しめしめ独り占めだと喜んだまでは良かったが、30分ほどの間に足元でやせハタハタが4尾釣れただけ。チョイ投げも遠投も全く当たらない。思いっきりよく諦めて、実績のある金浦に向かう。

 金浦で竿を出したのは午前4時ごろ。ヘッドランプの灯りをチラチラさせながら20人ほどがまばらに散らばって位置についている。動きが鈍いところを見ると釣れていないようだ。とりあえず釣り支度を始めたら同じ並びの釣り人にアタリが出始める。皆足元ではなく遠投して狙っている。釣り場についてから気が付いたのだが、いつも使っている10号のオモリが根掛かりで全部無くなってしまっていた。少し重たいが15号のオモリをぶら下げて遠投だ。一投目、着底して糸のタルミを取るともう魚が掛かっているではないか。重いオモリは沈下速度が速い。スレで釣るときは効果的だと改めて思った。
 以降、3~5割の確率で釣れ続き、ピークには7~8割という釣れ具合だった。辺りが明るくなり本来なら一番魚の活性が高まる時間帯だったが、アタリが遠のいてしまった。群れが他の場所に移動してしまったに違いない。その時点で40~50尾ほどの釣果だった。

 ボツボツ引き上げようかと辺りを見回すと、対面の防波堤に上がって釣っていた釣り人が連釣しているのが目に入った。6分目ほどハタハタが詰まった布バケツを一旦空にして、私もその場所に向かう。先行の3人組に断りを入れて間に入れてもらう。ここもやはり遠投だ。一投目から連続して7~8割の確率で掛かってくる。たまに3年物のメスも混じる。昨日、あまりの混雑で、私はこの場所を素通りしただけだった。新群れが入ったらしく爆釣だったと云う。一晩過ぎてほとんどのメスが産卵を終えたようだ。腹がぺっちゃんこの魚が結構混じる。
 初めての場所なので根掛かりが多い。これも税金のうちだ。15号のオモリ3個に、他5~6号のオモリを9個(3個組にして使ったもの)取られオモリ切れ。ちょうど小雨が落ちてきだしたし、バケツもほぼ満タンになったので竿を畳む。この日は今年初の一束超えとなった。貴重なメスだがほとんど3年物で、12尾混じっていた。
 帰路、港嶋の側を通ると近くの防波堤に30人ほどが並んで竿を出していた。こちらにも群れが入ったようだ。金浦は今年大当たりだ。


 12月3日  金浦漁港

 今日も明日の予報も季節ハタハタがやってくる大荒れの絶好の天気具合だ。あまりにも悪天候だったらすぐに竿を畳んで戻るつもりで、いつもの時間に朝食をとり、国道7号線を北上する。車で我が家から象潟までは20分少々、金浦までは30分弱。酒田北港に行くのと大して違わない。まず、象潟漁港を覗いてみる。秋田Noと山形Noの車が各一台駐車しているだけで閑散としている。入場制限のない水路の東側に3人の釣り人が雨に濡れて竿を出していた。のぞき込んだらちょうど一人が足元で釣り上げたところだった。いけるかなと期待して眺めていたが後続はなし。金浦に移動する。

 まず金浦の港嶋の様子を見に行ってみる。10人ほどが風を避けて橋下に並んで竿を出していた。しかし、どの竿も上がる気配がない。即移動だ。連日釣れている旧漁港には悪天候にもかかわらず20人ほどがテンデンバラバラに散らばって竿を出している。見るとポツポツと上がっているではないか。釣り上げられたハタハタは強風にあおられて宙にヒラヒラと舞っている。
 岸壁に潮がぶつかって潮目が出来ている場所が空いていたのでそこに狙いを付ける。隣とはかなり離れている。両隣に気兼ねなしにマイ釣りができる。足元で釣れているようなので第一投目は足元狙い。着底して竿を持ち上げた瞬間にドシッと手元に重量感が伝わってくる。いつも通りのスレなので結構重い。以後は、群れが移動して時々空白の時間もあるが、群れが回ってくると8割ほどの確率で掛かり続ける。
 昨日と違って腹がペッタンコの魚は少ない。メスもそこそこ混じってくる。昨日のはほとんど3年物だったが、今日は2年物も混じる。予測通り新群れが入ったようだ。

 ちょうど西向きに立っているので冷たい季節風とそれに乗ったミゾレが、終始、顔を直撃する。時おり細かいアラレがやってくる。顔にもあたるので結構痛い。漁港の外には大きな白波が次々と押し寄せ、泡立ち真っ白だ。寒さ対策は万全にしてきたつもりだったが、使い古した合羽の隙間から入り込んだ雨水が浸みてきて寒い。私もだが釣り人は我慢強い。そんな中でも誰もが夢中で竿を振っている。

 足元でアタリが遠のいたらチョイ投げに変えてみる。これが的中して8割前後の確率が続く。足元、チョイ投げを繰り返し、そのうち布バケツが満タンに。入れてあった道具箱を出してクーラーに移し替える。6~7分目ほどあった。
 布バケツを空にして心機一転釣りを再開するが、一向にミゾレや冷たい雨が降り止まず更に寒さが身に染みる。まだまだ釣れ続いていたが、隣に割り込みが入ったところでその人に快く場所を譲り竿を畳む。

 昨日に続いて今日も束釣り。今日のはほとんどが産卵前の立派なハタハタだった。これなら威張っておすそ分けができる。とても我家だけでは消化しきれないので20尾ほどづつ袋に詰めて隣近所に配って回った。


 12月4日  金浦漁港

 12月2日に撮っておいたアクションカメラの映像を昨日編集してYoutubeにupした。アクションカメラなのでズームなどの機能は付いていないから動きのない画面には不向きなのだが、手のひらに入るぐらいの大きさなのでドライブ以外にも、山歩き、釣り、散歩に携行しては自分用の記録として楽しんでいる。
 さて、Youtubeのアカウントだが、takahashi eikouと釣魚迷の二つで登録してある。釣魚迷は中国語で「釣りキチ」を意味する。12月2日撮影の動画だが、これは象潟~金浦~平沢~西目~本荘マリーナと秋田県南の漁港を順に巡り、季節ハタハタ釣りの様子を撮ったものだった。これには数時間もしないうちに100件以上のアクセスがあり、季節ハタハタ釣りの人気を改めて実感したものだ。私の動画のほとんどは1年経ってもアクセス数が100件以下なのだ。
 その動画に、これも珍しくコメントが寄せられた。ポイントを公開するのは動画のマナー違反だという趣旨だった。季節ハタハタは上記の漁港にやってくるのは誰でも知っているし、むしろ知りたいのは混雑具合や規制などだろうと私は思っていた。釣れ具合などはその日その日で違うからあてにはならない。世の中様々な人がいるのは確かだが、自信をもって言われるとかなりオタク的な意見でも思わずとそうかなと納得したりするから面白い。
 私の釣り動画の撮影場所はほとんどが吹浦漁港だが、あまり、他人には来てもらいたくないので以前は庄内浜と称していた。背景を見れば知る人ぞ知るではあったが。
 吹浦漁港は数年前までは釣り人の数よりは圧倒的に魚の数が多かった。それが、山形新聞の釣り欄に毎週末吹浦漁港の釣況が載るようになって大混雑、釣果の配当率が随分下がってしまった。私も、山形新聞(取材先はトミヤマらしいのだが)にポイントを公開するのはマナー違反だと言いたくてずっと我慢していたところだったのだが・・・。

閑話休題


 昨日(12月4日)も釣りに行ってきました。象潟港の水路には、冷たい季節風にも、雨にも、ミゾレにも負けずに20人ほどが竿を出していた。前日と違って竿の動きが活発だ。スーパーの買い物かごに溢れんばかりに釣っている夫婦もいる。流行る気持ちで竿を出す。周りの釣れ具合なら入れ食いモードになるはずなのに、なぜかたまにしか掛からない。他の釣り人との差が開くばかりだ。所用で午後になったせいで釣り場に着いたのは干潮の底。新群れの猛攻も一段落する時合に。それでも周りではポツリポツリと上げている。試行錯誤の末やっとたどり着いた結論は、シャクリ方だった。ここのハタハタは仕掛けを下し、一呼吸二呼吸間を置くのがコツらしい。そしてコツコツと云う魚信やモタレで竿を立てる。これに気が付い時にはすっかり下火に。
 諦めて竿を畳み、帰路様子見がてら金浦港に行ってみる。と、手前の港嶋で入れ食い状態だ。釣り人は広く散らばっているがどこでも絶好調だ。急遽私も竿を出すことにする。釣り方は象潟で会得したやり方。この釣り方だとほとんどハリが口に掛かって上がってくる。
 この日はヘッドランプを持ってきていなかった。5時のチャイムがなるとさすがに暗くて手元がおぼつかなくなる。相変わらず、私も周りも入れ食い状態が続いていたが納竿。
 帰宅後、小分けして冷凍庫へ。この日の釣果は96尾。もう冷凍庫はハタハタ尽くしで満タン、次からはどうするか悩むところだ。新群れが入ったばかりらしくて数えてみたら大型のメスが21尾混じっていた。


12月5日 金浦漁港 ~ 象潟漁港 

 宅配便で

金浦漁港 港嶋

金浦漁港  本港

象潟漁港 水路

 思ったよりは風も酷くないし、雪も湿り雪で、道路には雪が全く無かった。夜中のコーヒーを飲んで出掛ける。象潟は素通りだ。灯台側は防波堤も水路も立ち入りが禁止されているので、水路では東側しか竿が出せない。場所は狭い。昨日から好調なので、話を聞きつけて、今日は混雑する恐れがあったからだ。

 金浦は釣り場が広い。そして、昨日は広範囲で好調だった。混雑しても場所はゆったり確保できる。竿を出したのは5時ごろ。いきなり入れ掛かりだ。風に乗って湿り雪が顔を直撃する。完全装備だが、手袋から突き出した指がかじかむ。めげずに間を空けた聞き合わせスタイルを繰り返す。最初オキアミ餌も試してみたが、サビキと大差がなかった。途中からサビキだけの仕掛けに交換する。ハリを咥えたのとスレのと半々。魚を取り込んで再投入した時の最初の聞き合わせで掛かる確率が結構高い。以前、群れを見ながら釣ったことがあるが、仕掛けが降りていくと急反転してサビキを追う姿をよく見る。多分、仕掛けが下りていく時のアクションが結構アピールしている可能性がある。

 対岸に5人、私の側は私一人。場所移動は自由だ。アタリが遠くなると移動して群れを探す。群れに当たると必ず数尾は立て続けに掛かってくる。しかし、同場所でずっと入れ食いというわけにはいかない。
 6時のチャイムが鳴り、辺りが明るくなるとやや間隔が空くようになってしまった。それでも、ポツリポツリと当たるからなかなか竿を畳むタイミングがつかめない。7時半ごろまで粘って納竿。

 帰路象潟に寄ってみる。3台の車が路上駐車していた。秋田Noではなくて山形Noと庄内Noだ。立ち入り禁止の灯台側は無人だが、水路の東側には5人の釣り人が並び入れ掛りの真っ最中だった。私も並びの端で竿を出す。先行者ほどではないが、いい食いだ。路上から竿を出したので先行者の端からかなり離れた位置に立っていた。5.3mの長竿を扱うので、後ろを通り抜ける車に配慮して横に竿を出す為だ。ところが、これも庄内Noの車で来た若者が挨拶もなしに割り込みだ。庄内在住だがいい振りこきの秋田県人の一人の私の気持ちは複雑だ。秋田県側の山菜が生える場所に駐車している車はほとんどが山形、庄内Noだったことを思い出す。山形県内では山菜が生える場所のほとんどが立ち入り禁止にされてしまうからだ。両者の気質は随分違うのである。
 
 20尾ほど釣ったあたりで根掛かりで仕掛けをロス。それを機に竿を畳む。もう冷凍庫は満タンだ。近所へのおすそ分けもしたばかりだ。秋田県の内陸部に住む中学の同級生に送ることに。それにしても、宅配便の料金は高い。


 12月7日 金浦漁港

 ともかく今年の象潟、金浦の季節ハタハタは魚影が濃い。それも、次々と新群れが入って来る。産卵前のハタハタはトロッとしていて旨い。お世辞も半分あるかなと思うが、おすそ分けした先々で「美味かった」と言ってくる。

 翌日になったが、昨日の季節ハタハタ釣りの状況UPだ。どうしても、行先は我家から一番近い象潟、金浦方面になってしまう。なんたって行くたびに束釣りだから、他に行く必要もないのだが。本場男鹿方面も、秋田方面もまだ本番とはいかないらしい。これは異変だ。

 地元酒田北港にも、吹浦漁港にも、鳥崎、女鹿にも、まだ季節ハタハタが入ったと云う情報はない。昨日(12月6日)も、夜中のコーヒーを飲んで暗い中を象潟方面へ向かう。今年はまだ暖かくて、積雪、凍結もないから移動は頗る楽だ。
 まずは手前の象潟港水路脇に車を停める。まだ5時前だというのに、やっぱりいるいる。10人ほどが竿を出している。誰もが入れ掛り状態だ。覗いていると次々と新手がやって来る。灯台方面が立ち入り禁止になっているから釣り場は狭い。これはダメだとばかりに、すぐに金浦に向かう。前日好調だった港嶋に車を付けて水路の東側で竿を出す。本命のポイントは西側だから、こちらサイドは混雑しない。対岸にはヘッドランプを点けた10人ほど並んでいたが、こちら側の先行者は一人。かなり前から始めているらしく、ハタハタがオイルバケツに半分以上入っていた。もちろん入れ掛りだ。

 私も、竿入れから入れ掛りが続く。特に大きな群れが足元に居ついた時間帯があって、仕掛けを投げ込む、着底して竿をあおる、もうその瞬間にハタハタが掛かっている状況が長く続いた。布バケツはすぐに満タンになり、道具箱をいれてあったクーラーに移し替える。そして、布バケツ1.5杯分でクーラーも満タン。積んであったゴミ袋を車から持ち出して、次からはこれに移し替えだ。ゴミ袋には布バケツ2.5杯分が入って口を閉める。時々群れが移動するのか途切れることがある。自分も移動しながら群れのいる場所を探す。先行者が帰って、私一人になったからできる芸当だ。これの繰り返しだ。夜が明けると続々と釣り人がやって来る。対岸には30~40人が並ぶ。こちら側は少なくて10人ほど。当初私が竿を出していたポイント辺りに竿が集中する。潮目が伸びてきていて、そこに潮がぶつかる所。皆さんよくご存じだ。やはり、誰もが入れ食いだ。
 ハタハタ釣りもアジなどのコマセ釣りと同じだ。仕掛けの上下動に反応して寄ってくる。根掛かりで仕掛けを交換している間に私の足元から群れが移動してしまったらしい。孤独の釣り師だからしょうがない。布バケツもまた満タンだ。潔く引き上げることに。

 帰宅して、100尾ほどを秋田県の内陸に住む親戚に、ご近所にも80尾ほどおすそ分け。それでも、移し替えたコンテナに半分以上残っている。まだ200尾超はありそうだ。
 なんだって冷凍庫は満タンだ。さてどう処理するかと頭を捻り、結局、ハタハタ鮓にすることに。今回は珍しことだがブリコが3割超も混じった。どれも3~4年物のりっぱな魚体だ。まずは頭と腹を取り除き、塩漬けにする。2~3日したら水にさらし、塩抜きと赤水とりをして、麹とご飯で漬け込めばいい。


 12月8日 金浦漁港

 

12月7日の記録
 
 午前中に仕掛けづくりを済ませ、昼食後金浦港へ様子見に。もう、釣ってきても処分に困るほどだから道具を積むのをよせばいいのだが、ついついその気になってしまう。港嶋の駐車スペースからはみ出た車が路上に連なっていた。道具を持って水路に掛かる橋を渡る。この橋の上からは港全体が見渡せる。いるいる。水路周りだけでなく港内全体に釣り人が。すごい人数だ。そして、どこでもひらひらと釣りあげられたハタハタが風に舞う。港全体に大きな群れが入り込み、回遊しているようだ。
 水路に降りて歩き回る。どの人も入れ掛り状態だ。覗くと、大抵大型クーラーにびっしりとハタハタが入っている。重そうに大型クーラーを肩にかけ戻る人もいる。依然として爆釣が続いているようだ。

 私は空いている港口に移動し竿を出す。ここでも頻繁に竿が上がる。しかし、濃い新群れではなさそうだ。2~3日居ついている群れのようだ。ここは長竿がいい。5.3mの長竿でサビキの食わせ釣りでやってみる。オモリを底に付けたままアタリ、モタレで釣る方法だ。これが的中して一投ごとに掛かってくる。スレでなくほぼ100%サビキを咥えて上がってくる。特に下から二番目のキスバリに白スキンを巻いたハリに良くかかる。次回は全部のハリをこれにしてみるか・・・。

 時おり南西方向から突風がやってくる。長竿があおられてアタリが取りにくい。今日は様子見。3時ごろに竿を畳む。二時間ほどだったが50~60尾の釣果。メスはただ一尾。

 帰路、飛蚊港にも行ってみた。かつてはここが本命だったが、今日は閑散としていた。象潟も覗いてみたが、10台ほどの車が路上駐車していて、5~6人が竿を振っていたが、誰にも釣れていなかった。
 狙いはやはり本港と金浦港嶋まわりのようだ。ただし、くれぐれも地元住民に迷惑がかからないように気遣いを。

2022年12月24日