季節ハタハタ釣り苦戦日記(2018年)前編

 2018年12月9日には、すでに季節ハタハタの群れが酒田北港にやって来ていたが、そのことを知らなかった。何故なら秋田県の八森、男鹿に斥候隊の気配があったばかりだったからだ。例年なら、庄内浜は秋田県のそれらの地域から遅れること一週間から十日と云うのが常識だ。これは異変と言ってもいい。私の2018年度季節ハタハタ釣りの初出動は12月11日だった。偵察のつもりで象潟漁港へ向かった。

酒田北港に季節ハタハタの群れ

 次の写真は、釣具店「トミヤマ」のホームページからの転載である。

 これは、酒田北港に近い国道7号線沿いにある釣具店「トミヤマ」のホームページに、12月10日にアップされた情報である。酒田北港の水路にも12月9日の午後に第一陣が入って来ていたのである。私はこれを見逃していた。

2018年度の季節ハタハタ漁の漁獲は禁漁明け以降5番目の少なさ

 私がここ庄内に移住したのは2014年の4月だった。ハタハタは、私の様な秋田県生まれにとって思い入れが深い、冬の食卓に欠かせない魚だ。内陸育ちの私は経験がないが、その魚が群れになって海岸近くまで押し寄せ、誰にでも釣れると言う。移住当初から、釣り好きの期待はその時を思い描き膨らむばかりだった。
 その年の12月、念願だった季節ハタハタ釣りを初体験する。熱い思いが通じたのか、運よく第一陣の群れが入ったその日、その時に行き合わせた。初体験、見よう見まねながらも100尾を超す釣果に恵まれたのだった。
 しかし、翌年からは苦戦が続いた。それもそのはずでハタハタの漁獲量はその年を境に半減していた。以下は、秋田魁新報の記事である。


12月11日 象潟漁港 

 今日は昨日までとは違い風もなく時折陽が射す穏やかな天気。様子見だが、しっかりと道具は積み込んで、国道7号線を北上する。季節ハタハタは北から接岸する。
 まずは、象潟へ。水路が見えるあたりで釣りの帰りと思しき車とすれ違い、窓を開けて状況を尋ねてみる。「今日は波がないから食いが悪いよ。ん、昨日は釣れたな」とのこと。群れは一昨日(12月9日)の午後から入り出したと云う。

 水路の向こうに防波堤が見える。水路の出口付近に4~5人の釣り人が、防波堤には15人ほどの釣り人がいる。人数は少ない方だ。しかし、次々と釣り人がやって来て終いには身動きが出来ないほどの混雑に。
 一級ポイントは青灯のある防波堤側だ。目を凝らすと結構頻繁に竿が上がり、ひらひらと魚影が舞う。水路をぐるりと回り、防波堤への降り口に近い船着き場近くに路上駐車。漁師の邪魔にならない場所だ。

 灯台に近い方がよく釣れるが、私の対人距離感では割り込みは不可。止む無く、隣の若者の二人組に断りを入れて一番端に入れてもらう。彼らのうちの一人はまさに入れ食いだ。アンダースローで仕掛けを飛ばし、竿を立てるともう乗っている。私も期待に胸弾ませながらアンダースローを繰り返すが、まったく当たらない。なのに、隣の若者は二人して連発だ。
 誘い、仕掛け、ポイントなどなど盗み見て、出来る範囲で真似てみるも状況は全く変わらない。さらに悪いことに魚が釣れない分根掛かりが頻発する。彼らが去った後同じ場所を攻めてみたが「釣れない」と云う状況は変わらない。場所ではない。仕掛けも含めた釣り方が原因だが、経験不足は如何ともしがたい。嫌な時間が過ぎていく。 

 潮が動き出すようになって足元でも釣れ始める。空いていた私の左隣にも釣り人が並び、これが竿入れから入れ食いだ。それでも、右隣に割り込んだ釣り人が私同様釣れないからまだ救われる。
 そのうち、海中にハタハタの姿が時々見えるようになった。仕掛けが降りていくとハタハタが反転するようにしてサビキを追いかけていく。ハタハタは居る。あとは如何にハリ掛かりさせるかだ。しかし、アワセのタイミングがなかなか合わない。研究の余地ありだ。

 隣は入れ食いで、ほとんどがスレで上がってくる。私のはほぼ100%ハリを咥えて釣れてくる。この差は仕掛けの可能性大だ。私のはアジ釣りに使っていたハリに返しのあるサビキだが、彼らは返しのないハタハタ専用のサビキだ。それの方がハリ掛かりは良いはずだ。結局3時間ほど粘って放精済みの痩せた2年魚が30尾ほど釣れただけだった。
 帰路、浜売りの一袋1000円なりのハタハタを購入する。おばちゃんが「これが重いよ」と勧めてくれたのは1~2年魚の雄ばかりを集めた袋。2~3年魚主体の袋と持ち比べてみると確かに重く、家で計量したら8キロほど入っていた。しかし、これらは市場に出せない一番のクズだ。後で考えてハメられたと思ったが、飯鮨にする奴だからと自分を納得させる。


12月12日 酒田北港


 昨日、山形のローカルTV局の夕方のニュースで酒田北港の季節ハタハタ釣りが紹介された。5年振りに本格的な群れが入って来たと云う地元の釣具店のコメントもあった。
 酒田北港の季節ハタハタは、私が移住した年、これはまさに5年前にあたるのだが、季節ハタハタ釣り初体験の私にもほぼ入れ食いで釣れた。偶然も偶然、初体験のその日は第一陣がやって来た日でもあった。「今釣れだした」と入れ食いを連発する地元の釣り人の傍で、見よう見まねで100尾は釣ったはずだ。その中には4年もののブリコハタハタが結構混じっていた。それまでは本職の方の不漁が続き、大きいものは一尾1000円もしていたことがあったから、憧れのブリコハタハタを貪り食ったことを覚えている。
 その年は夢中になって釣り歩き、行く度に大釣りし、冷凍庫に入りきらなくなったこともあって、秋田県の内陸に住む中学の同級生などににも随分と送ってやったものだ。

 次の年は事前にイメージトレーニングもし、仕掛けも大量に買い込み、万全の準備を整えて臨んだが、酒田北港にはほとんど群れが入ってこなかった。止む無く秋田県側に幾度となく遠征を繰り返したが、これも絶不調。秋田県側の釣り場は酒田北港に比べたら狭い。よく釣れる場所には人々が割り込みを繰り返し、半身を突き出して竿を振るような状態になる。そんな人込みが苦手で端っこで釣ったこともあり、5尾だ10尾だで帰る日がほとんどだった。そして、それが去年まで続いていた。

 小雨模様の中、午前5時少し前に酒田北港に向けて家を出る。釣り場までは車で20分ほどだ。夜が明けるのは6時半ごろ。水路に建てられた風車の灯りが水面を照らしていて真っ暗ではないが手元で作業するには暗い。ヘッドライトは必需品だ。水路の長さは2キロはあるはずだ。ともかく長い。200~300人が並んでも、それほど窮屈ではないだろう。好きな釣り場だ。

 ここも良く釣れる場所とそれほどでもない場所とがある。釣れる場所を中心に、すでに50~60人が竿を出している。ハタハタは満遍なく釣れている。かなり大きな群れが入り込んでいるようだ。入れ食いを連発している人の隣が大きく空いていたのでそこに入れてもらう。しかし、こちらは入れ食いとはいかない。何かが違うのだ。これはかなり経ってから分かったことだが、仕掛けの下ろす位置が関係していた。その時のハタハタは壁に沿って移動していたのだ。40~50センチずれると釣れ方がガラリと変わることがよくある。仕掛けを下ろす位置は要注意だ。
 サビキの選定も重要だ。私の通常の仕掛けはラメ入りのスキン赤サビキ。これは、アジ、カマス用だが、ハタハタにも使っている。しかし、時間帯、潮色などで食いが極端に落ちることがある。今日も明るくなってから食いが落ちたのでハモ皮にチェンジ。

 チョイ投げして連釣する若手も居た。周りを見ながら釣り方を変えることもありだ。 新群れがどんどん入ってきているようだ。ブリコハタハタが結構混じる。オスも放精した後で痩せてペッタンコと云うこともない。美味そうだ。ただ惜しむらくは小型が多い。
 メスは2~3年物が、オスは1~2年物が主体だ。八時まで釣って、布バケツほぼ満杯。100尾前後はありそうだ。うちブリコは3割強。納竿した8時ごろには釣り人の数も100人は超えているように見えた。

 夕方も行ってみたが、釣り人の数は午前に比べたら激減し、数十人ほどが竿を出していた。しかし、どの竿にもハタハタは舞っていなかった。西風が強く、沖堤を波が乗り越えてて水路になだれ落ちてくる。。竿を出さずに退散する。

 今年のハタハタは例年になく小さい。10~15センチが主で、そんな大きさでも抱卵しているものもあった。資料に拠れば1、2年魚だ。ハタハタに何か異変が起きているようだ。


12月13日 酒田北港


 昨日は午前5時ごろに釣り場に到着したが、すでに時合に入っていた。この夜は寝ていて、霰、雷、風の音がうるさかった。外は大荒れだ。しかし、時化とともに新群れがやってくる可能性も大だ。今朝は一時間早めて出動だ。

 道路に雪は無かったが、時折り車の正面の窓に向かって水平にミゾレが吹き付けてくる。火力脇の道路を行くと堤防を越えてきた飛沫が窓ガラスを濡らす。左折して水路に沿って車を進める。時々、沖の堤防を乗り越えて波が滝のように水路に流れ込む。でも、この程度は序の口だ。この時期には水路の西にある沖堤に間断なく波がぶつかり、飛沫は沖堤の倍近くも高く跳ね上がり、それが崩れてどっと水路へ流れ込む様は珍しくないのだ。地元ではナイアガラと呼ばれている季節ハタハタの時期の風物詩だ。

 南側から数えて2本目の風車近くに車を停める。水路への降り口に近い駐車スペースはみな塞がっているが、そこから遠い場所はガラガラだ。悪天候のせいか駐車している車の数は昨日の1/3ほどだ。ズラリと見回して、釣れている場所の検討つけて水路に降りていく。私の距離感は、ハタハタ釣りの常識の4倍ほど長いから、なかなか思った場所には入れないことになる。この日は、風車により近い場所に釣り座をとる。

 周りに釣れていると言っても、思い出したころにポツリ、ポツリと釣れる程度。入れ食い状態だった昨日とは大違いだ。それでも明け方近くの回遊を期待して竿を出す。サビキはアジ用の赤スキン。
 昨日はヘチでよく釣れた。しかし、今日は、やや遠目で当たっている。チョイ投げに切り替える。これが正解で、入れ食いとまではいかないが、5回に3回は釣れてくる。
 ヒットするポイントはほぼ同じだ。この釣れ具合は周囲が沈黙しているだけに目立つらしい。そのうち3組の割り込みが入り、隣との間隔が私の本来の距離感の1/5ほどに狭まってしまう。両手を広げたら両隣にぶつかってしまう間隔だ。距離感は広くても寛容度は狭い私だ。こうなると気持ちに乱れが出る。さらに悪いことに、足元で釣っている隣人たちが連釣し始める。ますます苛立って調子が狂ってくる。悪いことは重なる。釣れ上がったハタハタを後ろに跳ね上げてしまったのでそれを取り込もうと向きを変えた拍子に転倒。したたか、コンクリートで膝を打ってしまった。身も心も、痛い、痛い。

 気持ちの乱れは釣りのリズムを狂わせる。その後、立て続けに3回も根掛かりさせる始末。こんな時は早々に切り上げるに限る。時合が来て足元でも釣れるようになっていたが納竿。時刻は午前9時を少し回ったところだった。今日は何ともすっきりしない釣行となった。さて、釣果の方だが、ほとんどが10~15センチ級の1、2年物。それも放精を終えてやせ衰えた雄ばかり。自宅に帰ってざっと数えたら70尾ほどあったが、ブリコは数尾混じっただけだった。


12月14日 酒田北港


 暴風雪警報が継続発令されている。寝る前は「もういいや。明日のハタハタ釣りは休みだ。」と自分に言い聞かせるのだが、夜中に目覚めるといつものことだが決心が揺らぐ。朝方になっても暴風雪警報が出たままだったが、付き合いで起きた家内とコーヒーを飲んだ後、午前4時半ごろ、おもむろに家を出る。外では強風が防風林を揺らすゴーと云う音が響いている。幸い道路には雪がなかった。車の運転は楽だ。
 昨日よりも天気予報が悪いせいか酒田北港の水路に沿って設けられた駐車スペースに車の姿はまばらだ。波風が半端ではない。波が沖堤にぶつかり空高く跳ねあがり、それが崩れて一気に水路に落下する。ワイパーを動かさないと飛沫で視野がかすれてしまう。 
 いつものように南側2基目の風車近くに車を停めて道具を車に置いたまま様子見に出てみる。堤防に上がると、突風に何度も体ごと持っていかれそうになる。水路に降りて、ワンスパンほど歩いてみる。昨日と違って人影はまばらだ。釣れている様には見えない。車に戻り、エンジンを掛けたまま釣れるまで待機だ。

 30分ほどしてから車を出て釣り場を覗いてみる。釣り人の動きが活発だ。ハタハタが釣れ出したようだ。取って返し、道具を持って水路に降り、降り口に近いあたりに釣り座を決める。
 仕掛けはラメ入り赤スキンのサビキ。今まで、暗いうちはこれが一番実績がある。足元から探り始めると意外に早く1尾目が上がる。放精を終えてやせ細った小型のオスだ。2~3尾釣れると間が空くパターンが続く。周りに比べて釣れていたせいか左隣に割り込みが入る。彼もポツポツ釣れ始める。何か自分の魚が横取りされているようで不快だ。
 そのうち釣れる間合いが長くなったので思い切って灯りが届く風車の近くに移動する。ハタハタは灯りに寄ってくる習性もあるようだ。街灯の光が届く象潟漁港の水路で、夕方から餌釣りで攻めて結構な数を釣ったこともあった。

 場所替えしてすぐに当たり始めたる。先行して釣っていた両隣並だ。この日はチョイ投げは不発だ。足元に近いところで釣れる。周りが薄っすらと明るくなると、それまでは尻尾などにスレ掛かりだったのが、しっかりとハリを咥えて釣れてくるようになる。
 しかし、あたりがすっかり明るくなるとアタリが遠くなってしまった。サバ皮オーロラに仕掛けを替えても変わらない。それでも、右隣だけは連釣を続けている。仕掛けが違う。様々な光沢のフィルムを重ねて縛ってある。いかにも釣れそうだ。(後で分かったがギャング釣りだった。キラキラフィルムはカモフラージュ。)

 手持ちのコマをすべて出し切っても状況は変わらないので午前8時ごろ納竿。釣果は尻すぼみで、この日は30尾前後だった。ほとんどが1~2年ものの雄。ブリコは1尾だけだった。次からは付けエサ(オキアミS)を持参しようと思っている。


12月15日 酒田北港 ~ 地元 ~  酒田北港

 暴風雪も一段落。酒田北港には釣り人がわんさかと押しかけるに違いないからと早めの午前4時ごろに現地着。予想した通り、水路に沿って設けられた駐車スペースは満杯状態。南側に広がる枯れ草が残る空き地にも車がズラリ。水路に降りて様子を窺う。もう、200人は居るかと思うような人の列が延々と続いている。調子は悪そうだ。ほとんど竿が上がらない。買い物かごに釣り上げたハタハタを入れている人が居た。近くによって覗き込む。50~60尾は入っている。この様子だと、すでに時合は過ぎた感じだ。

 いつものポイントは人がいっぱいで入り込む余地がない。何とか自分の距離感に合った他の場所を見つけて竿を下ろす。仕掛けはラメ入り赤スキン。下バリ2本にオキアミを付ける。直ぐにアタリ、これは行けるかと意気込んだが後が続かない。群れが薄いのか、スレてしまったのか。結局、しびれを切らして夜が明ける前に撤退。痩せた小振りの雄ハタハタ3尾の貧果だった。

 午後天気がさらに回復。家のなかでゴロゴロしていてもしょうがないので地元の漁港に行ってみる。波は3~4mとまだ高い。河口に近いあたりでかなりの数のカモメが乱舞している。流されて浮いているハタハタのブリコを狙っているのだ。防波堤の上にも驚くほど多くのカモメが羽を休めている。防波堤には打ち上げられたブリコも。確実にハタハタは来ている。しかし、どこにいるのか・・・。足元を探りながら先端近くまで行ってみるもまったく気配なし。
 諦めて別の場所に移動。ここは小さな船着き場跡。例年雄ばかりだが実績のある場所だ。先行者が一人竿を出そうとしていた。ポイントはテトラの隙間。よく根掛かりする。私は、別の場所から投げ釣りを試みたが不発。

 そのまま帰るのもなんで、性懲りもなく酒田北港へ。朝方ほどの人出はないが、まだ100人を超す釣り人が並ぶ。南側の一基目と二基目の間を覗くと餌釣りの人がポツポツと上げている。その周りも餌釣りだが、釣れるの3本の置き竿をしている彼だけ。そばにコマセカゴをぶら下げた釣り人がいる。しかし、彼には釣れない。微妙だ。この場所は足元に産卵用のロープが張られている。居残り組を釣るには良いポイントだ。20mほど離れた場所に空きを見つけて竿を下ろす。しかし、アタリは遠かった。周りを眺めてもほとんど釣れていない。結局、2尾釣りあげただけで撤退。第二陣の新群れに期待するしかないようだ。


12月16日 象潟漁港

 酒田北港は尻すぼみで、前日などは2回通って5尾。諦めて、朝方は地元の漁港で探り釣りするもまったく気配なし。夕方、やはり気になって再び地元の漁港を見て回るが、魚影はなし。その足で象潟漁港へ向かう。今日は日曜日。釣り場は大混雑のはずだ。そのため、そろそろ帰り支度を始める人も出てくる午後4時ごろに着くように見計らって出発だ。
 現場に着くも期待は外れて、一番の好ポイントである突堤にはまだ釣り人が鈴なりだ。そこはパスだ。いつものことだが水路は両岸とも空いている。それでも、沖に向かって左岸側はチョイ投げの釣り人が両腕を広げた間隔ぐらいで5人ほど並んでいる。いい場所に入った人は入れ食いだ。ただ、ポイントを外れると魚は釣れず根掛かりばかりになるから、ここを攻めるのは難しい。それでも、過去に少しそこから離れた場所でもそこそこ釣ったこともあったので、端っこに並んで釣り開始。しかし、投入を繰り返すもアタリはなく、そのうち根掛かりで仕掛けを取られてしまう。諦めて、ガラ空きの突堤側の右岸に移動する。

 途中には、突堤の釣り人の車が道の両脇にビッシリ。しょうがなくて、かなり手前に車を停め、しばらく歩いて水路へ。竿を出す頃には薄暗くなりつつあったので、灯りの下に釣り座を置き、サビキにオキアミを付けて餌釣りだ。去年は、この釣りが的中した。今回はそれの検証だ。この釣りはシャクルよりも訊き合わせになる。餌に釣られてか、ほどなくしてアタリが出始める。どれもばっちりハリを咥えて上がってくる。釣りとしては引っ掛けよりはこの方が後味が良い。

 入れ食いとはいかないが、飽きない程度に釣れてくる。そのうち、水路に沿うように強風が吹いてきたが、水路までは大きな波はやってこないので安心して釣りを続ける。気が付くと、周りに3人ほど釣り人が増えていたが距離感を気にするような間隔ではない。ゆったりとマイペースの釣りに専念する。
 正味2時間ほどの釣りだったが30尾ほど釣り上げていた。まずまずだ。しかし、惜しむらくは放精を終えた雄ハタハタ、それも小型の1、2年物ばかりだ。それでも、魚はそこそこ居残っているようなので、ここはまだ楽しめそうだ。

2022年12月23日